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確率的に考えるゴールドバッハの予想 その2

 気分転換に数と戯れよう。

 以前のエントリーLink でゴールドバッハの予想を確率論で考察しました。ゴールドバッハの予想は、

6以上の任意の偶数は、二つの奇素数の和で表すことができる

というシンプルな予想なのですが、これは未だに証明されていない難問です。以前と同じように、ある偶数2nに対して、2つの奇素数の和で表すことの出来る素数のペアの個数をG(2n)で表すことにします。ここでは素数のペアの順も考慮することにします。例えば、10は10=3+7=5+5=7+3と3通りの表現があるので、G(10)=3となります。数式で書けば以下のような感じです。
Goldbach01

 ゴールドバッハの予想を証明することは、G(2n) > 0 がすべてのn(>=6)に対して成り立つことを示すのと同値です。以前、これの漸近的な評価を、
Goldbach04

と予想しました。G(2n)も素数計数関数π(2n)も、数表でかなり大きな数まで計算されているので、ある程度精度を評価できます。以前のエントリー時は、G(2n)の数は、2n=10^12までしか求まっていませんでしたが、昨年の11月にG(10^13)が計算されたLink ようです。なので評価してみましょう。π(10^13)も、同じサイトLink から入手できます。
n G(10^n) {π(10^n)}^2 / 0.5*10^n Ratio
1 3 3.2 1.066
2 12 12.5 1.041
3 56 56.44 1.008
4 254 302.08 1.1893
5 1620 1840.1 1.1358
6 10804 12323.87 1.1406
7 77614 88333.05 1.138
8 582800 663887 1.1391
9 4548410 5170943 1.1368
10 36400976 41414558 1.1377
11 298182320 339167509 1.1374
12 2487444740 2828710093 1.1371
13 21066301710 23952271158 1.1369

うむ、まだ1には程遠いなぁ。

 ちなみに、G(2n)というのは、(素数, 素数) となる数の組み合わせですが、和が2nになる奇数の組み合わせは、(合成数, 合成数)、(合成数, 素数)、(素数, 合成数)、(素数, 素数) の4つでこのうち、(合成数, 素数)と(素数, 合成数)は同じです。なので、(合成数, 合成数)の個数をQ(2n)、(合成数, 素数)の個数をPQ(2n)とすれば、以下の式が成立します。

n = G(2n) + QQ(2n) + 2PQ(2n)

この式を変形して、

G(2n) = QQ(2n) + 2π(2n) - n -2

 もし2nにおいてゴールドバッハの予想が不成立なら、G(2n) = 0 より、

n + 2 = QQ(2n) + 2π(2n)

 素数定理を考慮すると、これは明らかに矛盾なんですよねぇ。なので、確率的には、ゴールドバッハの予想は成立するだろうと言えますが、確率論では証明になりません。

   

― by まーちん @ 10:41 am commentComment [0] pingTrackBack [0]

ゴールドバッハの予想の漸化式

 たまには、数学ネタでも。気分転換に、パズル感覚でゴールドバッハの予想を考えている。以前にも書いたけれど、どんなものか、もう一度書いておく。

6以上の任意の偶数は、二つの奇素数の和で表すことができる

というものであった。これは、肯定的に正しいであろうと予想されているけれど、未だ証明はされていない。ゴールドバッハ(Goldbach)が1742年頃に予想して、未解決の問題として残っている。

 詳しいことは省略するが、2つの奇数のペアを考えることで、以下の漸化式が導ける。

Goldbach Recurrence Equation

 ゴールドバッハの予想が成り立たないと仮定すると、A(2n) + 2B(2n) + C(2n) = 0となるが、これだと矛盾を生じるので背理法によりゴールドバッハの予想は正しい、といった流れに持って行けると良いな。

 上に挙げた漸化式に出てくる変数群には、素数計数関数であるπ(2n)とそれの双子素数版であるπ2(2n)とが絡んだ関係式もあるので、それらをごにょごにょすれば良いかもしれん。

 


― by まーちん @ 05:00 pm commentComment [2] pingTrackBack [0]

確率的にGoldbachの予想を考えてみる

 たまに、頭の体操やら気分転換で数学をします。数学といっても、素数だとかの数論、あるいはゼータ関数絡みの積分計算をしたりする程度ですが。思わずに面白い結果が得られたりするとニンマリします。

 さて、数学の世界には、数多くの未解決問題がありますが、殊、数論では素数に関連した多くの未解決問題があります。もっとも有名なもののひとつは、おそらくゴールドバッハの予想Wでしょう。双子素数Wの問題も有名で、個人的に色々考察していると、この2つは密接に関連しているように見えます。で、ゴールドバッハの予想ですが、これは誰にでも理解できる分かりやすいものです。

6以上の任意の偶数は、二つの奇素数の和で表すことができる

奇素数というのは、奇数である素数、つまり唯一の偶素数である2以外のすべての素数になります。ゴールドバッハの名前の由来は、Goldbachが1742年に、あの大数学者Euler(オイラー)に宛てた書簡の中で言及していることによります。→http://commons.wikimedia.org/wiki/Image:Letter_Goldbaxh-Euler.jpgLink

 これが「予想」なのは、また数学的に証明されてないからです。2008年2月16日の時点で、11x1017までの全ての偶数については成立することがコンピュータで分かっていますが、いくら大きい数字で確認できても、無限に存在する数を相手に、証明したことにはなりません。反例がひとつでも見つかれば否定的に証明されることになりますが、反例が出てくる可能性は、ほぼゼロでしょう。 →http://www.ieeta.pt/~tos/goldbach.htmlLink

 で、個人的に、これはいじり甲斐がある問題なので、たまに遊んでます。今のところ、いくつかの漸化式が導かれ、それらは双子素数の個数と結びついているのですが、詳細は省きます。その漸化式は、行列式でも使えば解けそうな気もしますが、行列に関する知識に乏しいので、そのままです。でも、いくつか興味深い関係式を得ることができます。

 まず、ある偶数2nに対して、2つの奇素数の和で表すことの出来る素数のペアの個数をG(2n)で表すことにします。ここでは素数のペアの順も考慮することにします。例えば、8は8=3+5=5+3と2通りの表現があるので、G(8)=2となります。数式で書けば以下のような感じでしょうか。

Goldbach01

ゴールドバッハの予想を証明することは、G(2n) > 0 がすべてのn(>=6)に対して成り立つことを示すのと同値です。このG(2n)は、双子素数計数関数π2(2n)を用いて、次のように表すことができます。

Goldbach02

 ここで出てきたf(2n)やg(2n)は、奇素数、奇数の合成数の組み合わせの数を表す関数で、この部分を具体的に表すことは出来ていないのですが、確率的な評価は可能です。確率的な評価は以下のようになります。十分に大きいnについて、

Goldbach03

が成立。ここで素数計数関数π(2n)が出てきています。この結果を最初のG(2n)の式に代入すると、π2(2n)が打ち消されて、結果、次の式を得ます。

Goldbach04

 この評価式は、確率的に考えて算出しただけですが、どれくらいの精度があるのかちょっとエクセルで調べてみました。

Goldbachcomet
青いのが有名なゴールドバッハの彗星。茶色が、得られた評価式です。
 エクセルだと、扱える数の範囲に限界があるので、もっと大きな数で評価してみましょう。幸いに、G(2n)やらπ(2n)の数は、かなり大きいものまで計算されています。G(2n)は、id:A107318Link にあるように1012まで知られていますし、素数の個数も同様にid:A006880Link で与えられます。これらを使って、上の評価式を検討してみます。
n G(10^n) {π(10^n)}^2 / 0.5*10^n Ratio
1 3 3.2 1.066
2 12 12.5 1.041
3 56 56.44 1.008
4 254 302.08 1.1893
5 1620 1840.1 1.1358
6 10804 12323.87 1.1406
7 77614 88333.05 1.138
8 582800 663887 1.1391
9 4548410 5170943 1.1368
10 36400976 41414558 1.1377
11 298182320 339167509 1.1374
12 2487444740 2828710093 1.1371

 まぁ、結構1に近い比率ですね。更にnが大きいとどうなるか分かりませんが。Goldbach's partitionGの数は、知る限り、AT&TのデータベースLink に登録されているG(10^12)が最大だけど、これ早く更新されないかなぁ。

 ちなみに、上のグラフで言及しているゴールドバッハの彗星(Goldbach's CometLink )ですが、これの移動平均は、上の評価式に驚くほどの近似を与えます。

Goldbachcomet2
緑の線が、Goldbach cometの移動平均です。確率的に得られる評価式(茶色)のラインとほぼ一致します。

 また面白い結果が得られたら書き庫します。

   


― by まーちん @ 05:22 pm commentComment [2] pingTrackBack [0]

リーマン予想解決?

ITmediaより:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0406/10/news028.htmlLink

 数学史上,非常に重要で未解決な予想に「リーマン予想G」があるが,この難問を米パデュー大学の数学者ルイス・デ・ブランジェス・デ・ボルシア教授が解いたそうで,現在web上で公開レビューを募っている。もし,彼の証明に誤りがなければこれは数年前に解決された「フェルマーの最終定理G」を凌駕するであろう大事件である。自分なんかが解けるレベルの予想ではないのでこのリーマン予想にはさほど愛着はないが(試しに23ページに及ぶ論文のPDFファイルLink をざっと見てみたけどいくつか有名な公式が分かるぐらいでとても読破できそうにない),自分が大好きな素数分野には,このリーマン予想を正しいと仮定して導き出せる素数の性質がいくつかあるので結構ショッキング。 頭の体操に取っ付き易そうな数論上の未解決問題に時間を潰すことがある。最近のマイブームは「ゴールドバッハの予想G」で,これは
4以上の任意の偶数は2個の素数の和である
という予想で,非常に内容は分かりやすいものなんだけど,たいそうな難問でまだ誰も解決していない。一時期,この予想を解決したら100万ドルという懸賞金が掛けられていたが,確か該当者はアメリカ国籍もしくはイギリス国籍を有する者に限るという但し書きがあり,もとより日本人な自分には関係のないことであった。それでも,もしこの予想に決着を付けることが出来たら数学史に名前は残せるだろうからと密かに考えてたりするわけである。で,この「Goldbachの予想」と「Riemann予想」は実は密接に関係していて,このゴールドバッハのもう一つの予想である
「すべての5以上の奇数は3つの素数の和で表される」
というのがあり,これは「リーマン予想」が正しいと仮定すれば真であることが証明されているから,冒頭の教授による結果はホント気になって仕方がない・・・。

 ちなみに,「リーマン予想」にも別の組織から100万ドルの懸賞金が掛けられていて,これは現在でも有効なので,運がよければ教授が享受することになる(100万ドルって1億円ぐらい?)。

 


― by まーちん @ 12:15 pm commentComment [4] pingTrackBack [0]

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