雪化粧のパリ

 朝起きて窓から外を眺めると、期待通りに雪がしんしんと降っていてどこも白い世界に。なぜだかしらないけれど、雪は好きだ。冷え性で寒いのは苦手なんだけど雪景色がかもし出す雰囲気は大好き。

 さっそく写真に収める。
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部屋の窓からの眺め
オルセー美術館に飾られているギュスターヴ・カイユボットの絵を思い出す。
Caillebotte_1878
カイユボット1878年の作品。タイトルは『屋根の上の雪』 良いね。
 いつも通るサンマルタン運河の橋上から。マルタンってMartinつまり英語だとマーティンだ。ハンドルネームがまーちんなのはガキの頃の愛称だから。
St-Martin
もっと冷え込めば、水面が凍ることもある。
St-Martin2
階段を下る際にこけそうになった。危ない危ない。
 病院の敷地内に到着。ラボに行く前に寄り道して写真を撮ろう。
HopitalStLoius1
春先は、花々が咲き乱れる中庭。
 ラボに着く。いつもしている実験机からのショットも撮っておこう。
MyLab
400年以上の歴史を誇るサンルイ病院。

 久しぶりに、雪をぐいっぐいっと踏みしめて足裏に感じる、あの握雪感を堪能した。

 


― by まーちん @ 06:38 pm commentComment [2] pingTrackBack [0]

ゼータ関数や多重対数関数を含んだ定積分式

 もう10年以上前になると思うけれど、以下のようなゼータ関数が絡んだ積分の具体的な表示式を得ていて、薄っぺらな数学ノートに記しておいた。フランスに来る際に、頭の体操用にと、そのノートを持ってきている。近頃、トイレで用を足す際は(大)、そのノートをめくっては思い出に浸っている。
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 どうやって、この値を得たかというと、ガンマ関数とリーマンゼータ関数とのよく知られた関係式
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の積分の上限が ∞ なので、もっと小さい値ではどうなるのかなと思って数値を調べていたのが発端だったと思う。ちなみに、この関係式から容易に以下のよく知られた値を知ることが出来る。

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 当時は、なかなか面白い式が得られたなと思って満足していただけで、それ以上の進展はなかった。でも大好きなゼータ関数も出てくるし、ζ(3)の値も気になるし、もうちょっと掘り下げてみることにした。

 上記は、ゼロから自然対数のlog2という具体的な範囲での値なので、これを少しだけ一般化して、ゼロからaまでの定積分[0, a]がどうなるかちょっと頭を使ってみた。で、得たのが以下の式。の次数も一般化してある。

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思ったより規則性のある式に。

n1~4までの値を見比べて導出したので多分あってると思うけれど、定義域とかはよう分からん。ちなみに、右辺に多重対数関数Link (ポリロガリズム polylogarithm)が出てくる。ゼータ関数と戯れているとよく絡んでくる関数(というか上位版)で、以下のような定義になっている。

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 合っているのかどうか、ちょっと検算をしてみよう。こういう場合に、それなりの精度で定積分計算や和計算が出来るフリーの関数グラフソフトGRAPESLink が活躍する。

 n=2のとき、得られた等式は以下のようになり、ζ(3)が出てくる。
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 a=-1/2のときの具体的な値をGRAPESで計算してみよう。左辺は、
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となり、一方、右辺は
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となり、ほぼ一致している。複素数の範囲で、a=πi(パイ×i)のとき、どうなるか見てみるのも面白そうだ。

   

― by まーちん @ 05:07 pm commentComment [0] pingTrackBack [0]

記憶の消失、そして回復

 フランスに来て、こちらのキャッシュカード(通称カルトブルーG、クレジット機能も付いている)は2種類持っている。これは単に2つの銀行(BNP ParibasGHSBCG)と契約しているからだ。

 フランスは確かにカード社会で、レジやレストランでの支払いはたいていカードで済ますことが出来る。日本と同様に4桁の暗証番号があり、これをピッピッピッと押せば良いわけだ。日本でも、最近はサインなしでこの番号入力のみで決済できるところが増えているのではと思う。で、この4桁の暗証番号というのは、日本と違って自分で好きな番号を選べるわけではなく、任意のやつがカードとは別郵便で送られてくる。

 ちょうど1ヶ月ぐらい前だろうか。とあるレストランでワインなどを飲みつつ、おいしい食事を堪能して、いつものようにHSBCのカードで支払いを済ませようと思ったわけだ。だが、ここで暗証番号が出てこないことに気が付いた。「あれっ、なんだったっけ?」

 頭の中で、1本の線維が1個の記憶を保持していて、それらが束になって膨大な記憶を形成しているとしよう。その記憶の束から暗証番号が記された1本の線維がすっと抜き取られたかのように、完全に暗証番号の記憶が飛んだのである。それまで、そのカードを使って何度も入力をしていたにもかかわらず、きれいサッパリ自分の脳から消失してしまった。俗にいう「ど忘れ」というやつか。しかし、まるで思い出せる気がしなかったし(ど忘れなら後から思い出すことも出来よう)、ど忘れよりも程度がひどく感じられもう思い出すことはないなと思った。「あぁ、これは無理だ。」完璧な記憶の消失だった。

 とりあえずその場は、もう1枚のカードも持っていたので、それで支払いを済ませた。家に帰れば、暗証番号が記された郵便物もあることだしなぁと。

 帰宅して書類棚をゴソゴソ。だが、その暗証番号が書かれた郵便物が見あたらない。引越して書類やらを整理していた際に間違って捨ててしまったのだろうか。相変わらず、暗証番号はまるで思い出せる気がしないし、まぁもう1枚カードがあるから良いかぁと、もう番号が何だったかなんて思い出すことは諦めることにした。

 そんな感じで1ヶ月が過ぎただろうか。それは突然やってきた。昨日、実験中に、ふと4桁の数字が頭の中に浮かんできたのだ。XXXX

「あれっ、何だ、この番号は?」それが最初のリアクションだった。すぐさま、「あれっ、これってもしかしてあのカードの暗証番号か?」と自問する。暗証番号のような気もするけど、どうも確証が持てない。「XXXX。」その番号を忘れないように復唱しながら、とりあえず帰宅途中に、ATMで試してみるかと計画を練った。

 パリは至る所にATMがあり、カルトブルーであれば、どこの銀行のやつでも(確か手数料無料で)気軽に引き出せる。もし、暗証番号が違っていても、「あぁ、やっぱり違うか。」で取引を中止すれば良い。

 メトロ(地下鉄の駅)を上がってすぐのところにATMがある。ちょっぴりハラハラしながら、その4桁の番号を試してみる。引き出す金額はとりあえず最小の20ユーロだ。

 暗証番号を押して、待つこと10秒弱。「あれっ、ちょっと長い?」ドキドキ。「カードを忘れずにね」とのメッセージが画面に出る。その数秒後、10ユーロ札が2枚ジジジッと出てきた。

 「おぉー、この番号やん。やっぱ、この番号やったんや。」正直、現金が出てくるまでほんとにこれが暗証番号なのか自信がなかった。ホントにこんな番号だったかなぁ。そんな気もするし、そうでない気もしていたから。だが、実際にお金が出てきた。確かにこれだ。もう忘れないぞ。

 どうして、いきなり記憶が戻ったのか分からない。抜き取られ消失したと思われた記憶の糸は、実はちぎれただけで(アルコールのせい?)それが再び繋がったのだろうか。

 記憶って、一体どういう形態で保持されているんだろうね。電気信号とかシナプスの可塑性なんかが絡んでいる気がするなぁ。


― by まーちん @ 05:07 pm commentComment [2] pingTrackBack [0]

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